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【催事報告】ヴィルトゥオーソのためのピアノ協奏曲

「19世紀の音楽受容」と題する3回目のレクチャー・コンサート。前半が講演、後半が演奏会という二部構成で開催された。講演において、本企画の代表者である福田弥(文学部准教授、音楽学)が「ヴィルトゥオーソのためのピアノ協奏曲」というテーマで話をした。19世紀前半までのコンサートで中心的な役割を果たしていたと考えられるジャンルが独奏協奏曲、とりわけヴィルトゥオーソ・ピアニストのための協奏曲であり、そこにはソリストを引き立てるために、さまざまな音楽上の仕掛けが施されていた。今日のようにフル・オーケストラを伴って演奏される協奏曲とは異なり、室内楽にも似た小編成で演奏されることも珍しくなかったこと、フォルテピアノの音量が小さかったこと、また作品としては、交響曲のような主題労作よりも、あくまでもソリストを目立たせるテクスチュアとして、主題とは無関係のソロ・パートのパッセージに耳目が集まるように作曲されていることなどを解説した。
こうした観点から後半の演奏会では、実際にショパンのピアノ協奏曲へ短調を室内楽の編成による演奏で聴くことによって、当時のピアノ協奏曲の特徴がより浮き彫りになったと思われる。しかもピアニストに仲道郁代氏、ヴァイオリンには島田真千子、水谷晃両氏、ヴィオラに篠崎友美氏、チェロに植木昭雄氏という、現在の日本を代表する音楽家を招聘できたことは特筆に値しよう。
申し込みの時点では満席となっていたものの、悪天候の所為か当日は空席もあった。しかし、アンケート結果によれば、8割の人が満足していた。レクチャーで語った内容を、実際の演奏を通して確認することができた点が判りやすかったとのことである。
今回の催しは、平成28年度の遠山記念音楽研究基金の助成により実現した。  (文責=福田弥)

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