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【展覧会報告】SHOW CASE Project No. 3 大竹伸朗「時憶 / フィードバック: Time Memory / Feedback」

◇ SHOW CASE Project No. 3 大竹伸朗「時憶 / フィードバック: Time Memory / Feedback」

【日 時】2015年11月27日(金) – 2016年1月29日(金)

【H P】http://www.art-c.keio.ac.jp/news-events/event-archive/scp2-lucent-case-1/

 

一昨年度のプロトタイプ展示から開始したショーケーズ・プロジェクトも今回で3回目を迎えました。3回目は大竹伸朗氏にプロジェクトを依頼しましたが、大竹伸朗らしい魅力に溢れた力作となりました。通常は制約のある展示を嫌う大竹ですが、今回は逆に極端な展示の形に興味を抱いて、積極的な要素と考えてくれました。出来上がった作品はターンテーブルが静かに動くと共に、展示ケースの天井まで一杯に集積物がレコード上空の雲の様に浮かんでいます。集積しているのは、写真の断片や、印刷物を細かく帯状に切ったもの、布、宇和島パール、針金、糸、ひとつひとつ見ていくと、それぞれにモノが負った記憶や時間が滲み出てくるようです。その集積の雲の下では、レコードの回る速度・33と3分の1回転で回るターンテーブル。貼り込みがされたレコードが重なり、盤上には針金の人が踊ります。会期中、この盤上の針金の人は色々なポーズを取り、不意に、細い紙をひっかけて呪縛の帯のように身にまとったり、それに引っ張られたり、予想不可能な様々なことが起こりました。最後の数日にはそれはでは取ることのなかった、頭から突っ込んだ姿勢を取って終了を迎えました。
印刷物にも大竹伸朗ワールドが展開していました。レコードの貼り込みをインデックスの様に並べたカラフルな紙面には大竹自身のテキストも配されています。近年、制作されているバインダーに集積するタイプの印刷物の形を踏襲しており、その中にしっかり位置づけられていることが分かります。もともと印刷物に関して高い関心を持ち、自らのプロデュースのもとで数々の出版を行ってきた大竹伸朗ならではリーフレットであったと言えます。  12月4日には『新潮』編集長矢野優氏とのトーク・イベント「最近の活動について」を開催しました。矢野氏は学生時代から大竹の作品をつぶさに見ており、書き手としての大竹とも仕事をしているもっとも大竹作品を良く知る方とのトークとなりました。  リーフレットは次のような文で結ばれています——「「記憶」の中の平面、立体そして音、それらが渾然一体となる何か、そんなイメージが頭の中にゆらゆらと動いている。」展示ケースの中で静かに動き、盤上の人がふいに飛びはね、天につかえた雲がちょっとゆれる——この一文はこの作品のエッセンスを伝えています。

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