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慶應義塾大学アート・センターのお知らせや、活動のレポートをお届けします


【展覧会報告】アート・アーカイヴ資料展 XX:影どもの住む部屋II―瀧口修造の〈本〉―「秘メラレタ音ノアル」ひとつのオブジェ

【会期】2020年1月20日(月)- 2月21日(金)
【場所・時間】慶應義塾大学アート・スペース 11:00-18:00
【休館日】土日祝休館
【入場料】無料

アート・センターが所蔵するアーカイヴをひとつのテーマに沿って紹介するアート・アーカイヴ資料展、その19回目となる本展では、戦前から日本におけるシュルレアリスムを牽引した詩人・美術批評家の瀧口修造(1903-1979)に焦点を当てて、彼が制作した通称「手づくり本」と呼ばれる一連のユニークな本と、それに関連する素材・資料を展示しました。本展は2018年に開催されたアート・アーカイヴ資料展XVI「影どもの住む部屋—瀧口修造の書斎」の続編にあたり、瀧口が彼の書斎で試みていた様々な資料群に着目することで、その多彩な制作活動を明らかにしようとするものです。

「手づくり本」は、雑誌の切り抜き、銀紙、ラベル・シール、手書きのメモ等、いわゆる“断片”の寄せ集めによって構成された、瀧口自身の手仕事による本です。今回のように、アート・センター所蔵の「手づくり本」が一挙に展示されるのは初めてのことであり、その細部や素材感を来場者の方にみていただきたいと考え、あえてガラスケースに入れずにひとつのテーブルに並べるという展示方法をとりました。さらに、展示室の全ての壁に「手づくり本」の1ページ1ページをプリントアウトした紙およそ700枚を隙間なく貼り、全ページをみていただけるようにしました。他にも、「手づくり本」を制作するにあたって重要な役割を果たしたと思われる、紙切れやカード、文具類などの素材や関連資料も合わせて紹介しました。

30ページあまりの紙を綴じずにまとめたカード式の本展カタログは、表紙に印刷された「手づくり本」のシールを展覧会に合わせてそれぞれのページに貼ってもらうという、いわば「手づくり」風になっており、記念に2部持ち帰られる方もいるなど、来場者の方にもご好評いただきました。

展覧会の最終日にはカタログ執筆者によるトーク・セッションが行われ、制作に対する瀧口の姿勢や「手づくり本」が持つ意味などについて活発な議論が交わされました。「手づくり本」とそれに関する一連の資料を通じて、制作に対する瀧口の思考を見出すとともに、アーカイヴにとって資料とは何か、という問題について考える試みとなりました。(芹澤)

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