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慶應義塾大学アート・センターのお知らせや、活動のレポートをお届けします


【展示報告】SHOW-CASE project No.1 冨井大裕 3個の消しゴム

昨年12月まで開催していました「SHOW-CASE project No.1 冨井大裕 3個の消しゴム」のご報告です。

【会 期】2014年9月17日(水)-12月12日(金)

【会 場】慶應義塾大学南別館2階廊下(アート・センター脇)

http://www.art-c.keio.ac.jp/news-events/event-archive/show-case-project-1/

昨年度にプロトタイプ展示を行って開始したショーケース・プロジェクト。展示室でない場所に展示をしかけながら、展示の場である展示ケースが決められている、という通常とは規定されている部分と自由な部分がある意味で逆な展示プロジェクトです。また、フォーマットやルールがある程度決められた印刷物をそれ以外は自由に(但しその時の予算等の条件の中で)作ることがセットになっている点も大きな特徴です。

第1回以降、使用するフォーマットをつくるためのプロトタイプ展示を行った冨井大裕氏が第1回のプロジェクト作家として、新たなアプローチで展示を展開してくれました。展示ケースをブラインドで隠し、展示の場からは見えない室内のブラインドと連動させた前回とは異なり、今度は、モノを展示ケースの中に入れる、という正攻法です。3つの白い立方体が組み合わされて構成された彫刻的なモノがケースの中に現れました。しかし、そこは一筋縄では行きません。タイトルにある様に、一見何で出来ているか分からない3つの立方体は消しゴムなのです。そして印刷物を手にするならば、A4一枚の裏面には組み合わされた3つの立方体のパターンが大量に並んでいます。そして、展示ケースの中にある組合せをその中に探そうとすると、それはそこにはない。前回同様、印刷物で示されているものと展示として目にしているものとの補完作用とも、相互渇望とも言える関係性があります。それは今、目の前で見ているものの確かさと不確実性を同時に感じさせるような不思議な体験でもあります。展示と言いながら廊下に突然置かれている展示ケースの中のモノを見る体験も含め、見る人が宙づりされるような、ちょっと変わった観賞機会を提供できたのではないでしょうか。

会期中には「作品体験について」と題するトークを印刷物のデザインをした川村格夫氏、東京都現代美術館で冨井氏とカール・アンドレの作品を組み合わせて展示した鎮西芳美氏も交えて行いました。

3個の消しゴムの組み合わされた姿は、アンドレの立方体を組み合わせる初期作品を思い起こさせるところもあります。そこには彫刻についての考えるべき問題が潜んでいると感じています。 (文・渡部)

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