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【催事報告】PSi 2015 TOHOKU けがれを超えて:パフォーマンスと東北(身体・霊性・巡礼)

◇ PSi 2015 TOHOKU けがれを超えて:パフォーマンスと東北(身体・霊性・巡礼)

【日 時】2015年8月28日 – 9月1日

【主 催】慶應義塾大学アート・センター、青森県立美術館

【場 所】青森県立美術館

【イベントHP】http://www.art-c.keio.ac.jp/news-events/event-archive/psi-tohoku/

 

国際パフォーマンス・スタディーズ学会の初めての日本開催であった。これまで、アート・センターの土方巽アーカイヴのグループで、海外で行われたPSiの学会に参加してきたことで、日本開催の主催者としての役割を担うこととなった。 本年の学会は、この1年で世界十数カ国で開催する初のケースで実施されている。それぞれの成果を受け継ぎながら、開催地でのテーマをもって学会を開催するということで、日本では「東北」をテーマに、パフォーマンスの課題と可能性を問いかけることで実施した。 学会発表者の公募の締切りは本年の3月だったが、応募は百数十人を数え、その多くは海外からで、外国人研究者の日本開催に対する関心の高さが目立った。 実施にあたっての苦労は、何より東京を離れて遠隔地での開催ということであった。あらかじめ承知のことだったが、現場調査や協力依頼で何度も青森を訪れるたびに思い知ることとなる。
しかし、東北をテーマに東北で開催することの意義は大きく、パフォーマンス学会にふさわしい環境であったことも確かであった。
学会初日は、恐山ツアーであった。恐山ツアーは、当初、予定していた以上に外国人に歓迎され、予定に倍する参加者を見た。
翌29日、学会会場となった青森県立美術館でのレジストレーションも順調で、オープニングのセレモニーが行われた。前回の開催地のショーパフォーマンスがあり、本開催地を代表して小菅隼人にエールが贈られた。
続いて、2本の基調講演が続き、さらにワーキンググループのイントロダクションが行われた。夕方には、美術館内ホールで青森の民俗儀礼や宗教儀礼、津軽三味線の公演が行われ、参加者に東北の生活と芸能の雰囲気を味わってもらった。
さらに夜は、美術館近くの縄文遺跡、三内丸山遺跡でウェルカムパーティーを催し、青森来訪を歓迎するとともに、東北の長い歴史と文化を紹介することができた。
翌30日は本格的に研究発表が始まった、午前のパネル・セッション1、午後のパネル・セッション2、そしてワーキング・グループのディスカッションが行われた。  夜はホールで舞踏公演。3人の舞踏家によるセッションがあり、フィナーレでは観客席から大きな喝采があった。
続く31日も、午前、午後とパネル・セッション3と4が行われ、引き続きワーキング・グループの2日目が行われた。なかでも、舞踏のセッションには、多くの研究者やダンサーが集まり、熱心な討議が行われたことは印象に残った。
夜は、青森駅近くのワ・ラッセでクロージング・パーティーを開催。ツアーや研究発表で親しくなった参加者の楽しい会話やはじけるような笑い声が、会場のあちこちに起こって、青森でのPSiの成功を祝った。
ついで、9月1日は学会の最終日。ワーキング・グループの報告やクロージング・リマークがあり、この成果を次の開催地に伝えることを約して、惜しみつつ散会した。  この午後には、前日の舞踏公演に出演した工藤丈輝による舞踏ワークショップが行われ、多くの受講生が集まり、国際的な舞踏人気を示した。
学会参加者は約150人。基調講演や舞踏公演は、一般市民にも公開したので、200人ばかりの参加者を得て、盛況裡にPSi2015TOHOKUを終えることができた。
いろんな参加者から素晴らしい学会だったとお褒めの言葉をいただいた。実質的に運営したアート・センターのスタッフの苦労も並大抵ではなかったが、この成功が苦労をいやしてくれた。
また、学会と連携して、美術館内では常設展の一環として「土方巽展」を開催し、多くの人に土方巽の舞踏資料を見ていただき理解を促すことができた。さらに学会開催に合わせて、PSi青森フリンジとして、市内での舞踏公演、ダンスパフォーマンスが行われた。昼間は、地元青森の舞踏家福士正一さんを中心に、青森市中、街頭でのパフォーマンスが行われ、市民を巻き込んでのイベントとなった。夜には、市内のブラックボックスを会場に、外国人ダンサーも含め舞踏公演が行われ、青森では通常は見られない観客を集めることとなった。
今回の学会では、地元青森の大学や企業の協力・協賛があり、地方の学会開催には地元の協力が欠かせないことを、あらためて教えられた。準備期間より尽力された福士正一さんをはじめ、多くの関係者に感謝するほかない。
もちろん、何より遠く海外から参加された方々にも感謝の言葉をかけたい。合わせて日本での開催によって、PSiが日本の研究者やダンサー、演劇人にも広く知られるところとなったことも意義ある成果であろう。 (文・森下)

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